「嚙む」という行為には「消化の促進」や「顎の発達」といった効果があることはもちろん近年はスポーツの分野でも注目されるようになりました。スポーツ医学の歯科分野である「スポーツ歯学」においては、「嚙む」ことと「スポーツ」の関連性について研究が進められています。
「噛む」ことはスポーツにどんな影響が?
①筋力がアップ
上下の歯が合わさると、「噛んだ」という情報が脳の「運動野」という場所に伝達され、体を動かす「骨格筋」などの反応や動きに影響を与えます。歯をしっかり食いしばる事で、筋力が4から6%程度アップすると言われています。
②重心・姿勢が安定
歯を噛みしめると、首にある筋肉に力がはいり首が安定します。首が安定すると体の軸がぶれず、平衡感覚も維持されるため、結果的に体が動かしやすくなったり視野が定まったりするため、パフォーマンスの質の向上に繋がります。
③集中力・判断力の向上
噛む事で認知機能を司る前頭前野の血流がよくなり集中力と判断力が高められます。また、嚙むことで唾液が促されるため、喉の渇きも抑える効果もあります。
【マウスガードの重要性】
マウスガードは、外部からの衝撃からの口腔内を守ったり、脳などへの衝撃を和らげる働きをするものです。
弾力性のある柔らかい素材でできていて、通常は上顎に装着します。ボクシングやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツではマウスガードを装着する義務がありますが、最近ではそれ以外でのスポーツでも、相殺する事でパフォーマンスの向上に繋がることが分かってきました。
マウスガードにはスポーツ用品店などで販売されている既製品と、歯科医が、選手の参加する種目、レベル、口腔内などを考慮して作成し、嚙み合わせの調整が適切に行われるカスタムメイドタイプの2種類があります。