
唾液は、お口の中を清潔に維持するために欠かせない要素です。
実は、そんな唾液には「サラサラ唾液」と「ネバネバ唾液」の2種類があり、健康なお口を保つためには、サラサラ唾液がとても重要な役割を果たしています。
では、この「サラサラ唾液」とはどのようなもので、どうすれば増やすことができるのでしょうか?
今回は、サラサラ唾液の特徴や働き、そして増やし方まで詳しく解説していきます。
そもそも唾液とは?
唾液は、口の中にある唾液腺から分泌されるもので、1日に約1〜1.5リットルもつくられます。
唾液には食べ物の消化を助けたり、口内を潤して話しやすくしたりと、さまざまな働きがあります。
また、口の中を洗い流して清潔に保つ作用や、細菌の繁殖を抑える抗菌作用もあり、お口の健康を守る大切な役割を担っています。
唾液の種類と違い
唾液には大きく分けて「サラサラ唾液」と「ネバネバ唾液」の2種類があります。
それぞれの特徴や分泌されるタイミングには違いがあり、お口の健康にも大きく関わっています。
サラサラ唾液(漿液性唾液)
サラサラ唾液は、主に耳下腺(じかせん)から分泌される水分の多い唾液です。
食事中や会話中など、刺激を受けたときに分泌が促進されやすく、口の中を洗い流す「自浄作用」や、消化酵素(アミラーゼ)による「消化補助作用」があります。
また、口内のpHバランスを保ち、虫歯や歯周病のリスクを下げる「緩衝作用」も持っており、健康なお口には欠かせない存在です。
サラサラ唾液が十分に分泌されていると、口の中が潤い、爽やかな感覚が続きます。
ネバネバ唾液(粘液性唾液)
一方、ネバネバ唾液は主に顎下腺(がっかせん)や舌下腺(ぜっかせん)から分泌される粘り気のある唾液で、主に緊張時やストレス状態のときに多く分泌される傾向があります。
ネバネバ唾液は粘液性が高く、水分が少ないため、口の中に不快感やネバつきを感じやすくなります。
また、細菌が増殖しやすい環境になるため、口臭や歯周病などのトラブルにつながるリスクも高まります。
サラサラ唾液のメリット
唾液には「サラサラ」と「ネバネバ」の2種類がありますが、健康なお口を維持するにはサラサラした唾液が不可欠です。
ここでは、その具体的なメリットをご紹介します。
自浄作用でお口を清潔に保つ
サラサラ唾液は流動性が高いため、食べかすや細菌を洗い流す「自浄作用」が優れています。
この自浄作用のお陰で、虫歯や歯周病の原因となる汚れを効率よく除去することができるのです。
抗菌作用で口内のトラブルを予防
唾液には抗菌成分が含まれており、細菌の繁殖を抑えてくれます。
質の良い唾液が分泌される結果、口臭や歯周病のリスクが軽減され、口腔内のトラブルを予防できるでしょう。
会話・食事・味覚をサポート
サラサラ唾液はお口の中を潤し、滑らかな動きを保つため、話す・食べるといった日常動作を快適にします。
さらに、味覚を正常に保つ作用もあり、食事をより楽しめるようになります。
サラサラ唾液を増やす方法
サラサラ唾液は、お口の健康を守るうえでとても重要な役割を果たしています。
では、どうすればその分泌を促進できるのでしょうか?
以下の方法をぜひ試してみてください。
唾液腺マッサージで分泌を促す
唾液の分泌をバランスよく保つために、最も手軽で効果的なのが「唾液腺マッサージ」です。
主に刺激するのは以下の3つの唾液腺です。
耳下腺(じかせん):耳たぶの少し前あたりを指でくるくると優しくマッサージします。
顎下腺(がっかせん):顎の骨の内側、柔らかい部分を軽く押します。
舌下腺(ぜっかせん):舌の下あたりを、指で優しく押さえるように刺激します。
お風呂上がりや寝る前など、リラックスした状態で行うと、より効果を感じやすくなります。
その他の唾液を増やす工夫
唾液腺マッサージに加えて、日常生活のちょっとした工夫でもサラサラ唾液の分泌は促進できます。
以下のような方法を意識することで、より効果的に口内環境を整えることができます。
よく噛んで食べる
食事の際によく噛むことは、唾液を出すうえで非常に大切です。
噛む回数が増えることで唾液腺が刺激され、自然と分泌が促されます。
特に、繊維質の多い野菜や、噛みごたえのある食材を取り入れると効果的です。
水分補給をこまめに
脱水状態では唾液の量が減ってしまうため、こまめな水分補給が重要です。
特にカフェインやアルコールには利尿作用があり、体内の水分を奪ってしまうので注意が必要です。
水や麦茶など、ノンカフェインの飲み物をこまめに摂取しましょう。
会話や歌などで口を動かす
日常的に口を動かすことで、口周りの筋肉が活性化され、唾液腺への刺激にもつながります。
友人との会話を楽しんだり、好きな音楽を口ずさんだりするだけでも、唾液の分泌は促されます。
過度なストレスをためない

ストレスが強いと、自律神経のバランスが崩れ、唾液の分泌が減少することがあります。
適度な運動や趣味の時間を持ち、リラックスすることも、実は唾液の質や量に関係しています。