コラム

歯周病治療は痛い?

2025.09.29
歯周病治療は痛い?

歯周病は日本人の多くが抱える口のトラブルで、放っておくと歯を失うリスクも高まります。そんな歯周病を治療する際に、多くの人が気になるのが「治療は痛いのか?」ということです。痛みが怖くて歯科医院に行くのをためらう方も少なくありません。しかし、歯周病治療の痛みの感じ方は個人差が大きく、治療方法や進行度によっても異なります。

今回は、歯周病治療に伴う痛みの実態や痛みを抑える方法について詳しく解説します。

虫歯治療よりは痛みの少ない歯周病治療

結論から言うと、歯周病の治療は虫歯のように歯を削る処置がほとんどないため、痛みが強く出ることはあまりありません。主な治療内容は、歯と歯茎の間に溜まった汚れや歯石を丁寧に取り除くクリーニングが中心です。そのため、痛みを感じることがあっても、多くの場合は歯茎が軽く刺激される程度で済みます。
ただし、進行してしまった歯周病に関しては外科処置が必要となるため、負担が大きくなってしまいます。

歯周病治療の痛みについて

歯周病治療では、痛みの感じ方は治療の種類によって大きく異なります。ここでは特に代表的な3つの治療、歯石のクリーニング、噛み合わせの調整、そして外科手術について、どんな痛みがあるのかを詳しく解説していきます。

歯石のクリーニングの痛み

歯周病治療の基本は、歯と歯茎の間にこびりついた歯石を取り除くクリーニングです。歯石は非常に硬く、歯ブラシでは落とせないため、専用の器具を使います。代表的なのが、超音波振動で歯石を砕く超音波スケーラーや、手作業で削り取るハンドスケーラーです。

なお、歯石には大きく分けて二種類あります。
ひとつは歯茎の表面に付着している柔らかめの歯石で、これは比較的簡単に除去できます。
もうひとつは歯周ポケット内にある硬い歯石で、こちらは血液中のカルシウムが固まったもので、取るのが難しく、痛みを感じやすいこともあります。
歯石除去の際は歯茎が圧迫されたり、チクチクした感覚が生じることがありますが、虫歯治療のように強い痛みを感じることはほとんどありません。

噛み合わせ調整の痛み

歯周病が悪化する原因のひとつに、噛み合わせの悪さがあります。歯科医師は必要に応じて歯の表面を少し削り、噛み合わせのバランスを整えます。この治療は歯を削るため、クリーニングよりも多少の痛みを感じる場合があります。
ただし、虫歯治療のように深く削るわけではないため、強い痛みを伴うことはほとんどありません。治療後に一時的な違和感や軽い痛みが出ることがありますが、多くの人は日常生活に支障なく過ごせます。

外科手術の痛みについて

重度の歯周病になると、外科的な治療が必要になることがあります。外科手術にはいくつかの種類があり、それぞれ痛みの程度や回復期間に違いがあります。以下では代表的な4つの手術について説明します。

フラップ手術

歯茎を切開して歯周ポケット内の感染組織や歯石を取り除く手術です。術中は局所麻酔を使うため、痛みを感じることはほぼありません。
手術後は歯茎の痛みや腫れが出ることがありますが、通常は軽度から中程度の痛みで、鎮痛剤でコントロール可能です。回復には数週間かかり、その間は歯科医の指導のもと丁寧な口腔ケアが求められます。

骨移植術

歯周病で歯を支える骨が減ってしまった場合に、患者自身の骨や人工骨を移植して骨を再生させる手術です。局所麻酔を使うため手術中の痛みはほぼありませんが、術後は腫れや痛みが出ることがあります。
手術後に痛みを感じる場合には鎮痛剤で軽減可能ですが骨の回復には数ヶ月かかり、期間中の口腔ケアが重要です。

歯周組織再生治療法

失われた歯周組織の再生を促すために、エムドゲインやメンブレンといった特殊な医療材料を用いる外科処置です。手術後は数日から1週間程度痛みを感じることがありますが、通常は時間とともに和らぎます。完全な再生には数ヶ月かかるため、定期的な通院とケアが欠かせません。

歯肉切除術

過剰に増えた歯肉を切除し、歯周ポケットを浅くして歯周病の進行を防ぐ手術です。麻酔を使って行うため施術中の痛みはありません。術後の痛みは軽度で、ほとんどの場合、鎮痛剤で十分に管理できます。

歯周病で痛みを感じたときの対処法

歯周病で痛みを感じたときの対処法

歯周病による痛みが出たときは、口の中を清潔に保つこと、患部を冷やすこと、痛み止めを使うことが基本となります。
これらの対処法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

口の中を清潔に保つ

歯茎が痛むとき、その原因の多くは歯垢や歯石の蓄積です。これらが残ったままだと、症状がさらに悪化する可能性があります。歯磨きは、痛みがあってもできる範囲でやさしく行いましょう。
とくに、歯と歯茎の境目は汚れがたまりやすいため、丁寧にケアすることが大切です。
また、うがい薬を併用することで、口の中の細菌を減らし、症状の悪化を防ぐことが期待できます。

患部を冷やす

歯茎が腫れてズキズキと痛む場合、頬の外側からやさしく冷やすことで痛みがやわらぐことがあります。保冷剤をタオルで包んだものや、冷たい濡れタオルを使い、直接肌に当てないように注意しながら冷やすようにしましょう。神経の興奮を抑えることで、痛みが軽くなることがあります。
ただし、氷を直接頬や口の中に当てるのは逆効果になる場合があるので避けましょう。

痛み止めを使う

どうしてもつらい場合は、痛み止めの服用も効果的です。市販薬でも、解熱鎮痛成分が含まれているものなら、ある程度の痛みは和らげることができるでしょう。
ただし、痛み止めはあくまで一時的な対処法です。症状の原因を取り除くわけではないため、できるだけ早く歯科医院を受診して、専門的な治療を受けるようにしましょう。

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