コラム

歯周病は口臭の原因になる?

2025.08.29
歯周病は口臭の原因になる?

「口臭が気になるけれど、原因が分からない」「毎日きちんと歯を磨いているのに、においが取れない」など、口臭に関するお悩みを抱えている方は多くいらっしゃいます。

実は、その口臭の裏に「歯周病」が潜んでいる可能性があります。今回は、そんな歯周病と口臭の関係について解説していこうと思います。
口臭が気になる、歯周病対策をしっかりしたいという方はぜひ参考にしてみてください。

なぜ歯周病が口臭につながるのか

口臭にはいくつかの種類がありますが、病的な口臭の大きな原因のひとつが「歯周病」です。歯周病とは、歯と歯茎の間にたまったプラーク(歯垢)によって歯ぐきが炎症を起こす病気です。炎症が進行すると、歯茎が下がり、歯周ポケットと呼ばれる深い隙間ができてしまいます。

この歯周ポケットに細菌が繁殖し、硫黄を含むガス(揮発性硫黄化合物)を発生させることで、不快なにおいが強くなります。つまり、歯周病によって口の中で口臭の元が作られやすくなるのです。

口臭のタイプと歯周病の関係

口臭には、起床時や空腹時などに一時的に出る生理的な口臭、食べ物や飲み物が原因となる口臭などいくつかの種類がありますが、歯周病による口臭は「慢性的に続く」という特徴があります。
また、自分では気づきにくく、家族や周囲の人から指摘されて初めて気づくケースも少なくありません。
さらに、歯周病が進行して膿が出るようになると、そのにおいはより強くなり、日常生活にも支障が出る場合があります。

具体的には、歯周病による口臭には以下のようなにおいの特徴があります。

腐ったタマネギのようなにおい

歯周病による口臭でよく例えられるのが、「腐ったタマネギ」のようなツンとくる刺激臭です。このにおいの原因物質は「メチルメルカプタン」と呼ばれるガスです。歯周ポケットの中で増えた細菌がたんぱく質を分解する際に発生します。メチルメルカプタンは非常に臭いが強く、少量でも不快に感じやすい成分です。

しかも、歯周組織を破壊する作用もあるため、においだけでなく歯周病の悪化にも関係しています。

腐った卵のようなにおい

「腐った卵」のようなにおいの原因は、「硫化水素」というガスです。これもたんぱく質の分解過程で発生するガスで、特に歯垢や舌苔に多く含まれます。

舌苔とは、舌の表面に付着した白や黄色のコケのようなもので、ブラッシング不足や口呼吸、唾液の減少、喫煙、加齢、ストレス、免疫力の低下などによって増えやすくなります。口臭が気になる方は、舌の清掃も意識してみましょう。

生ゴミのようなにおい

「生ゴミ」のようなにおいのもととなるのは、「ジメチルサルファイド」という成分です。これは歯周病が進行した場合や、消化器系の疾患があるときにも発生しやすいガスです。

ジメチルサルファイドは、海苔や魚介類などにも含まれており、必ずしも強烈なにおいとは限りませんが、独特の生臭さとして自覚することがあります。歯のケアをしても口臭が改善されない場合は、内科的な検査も視野に入れることが大切です。

歯周病による口臭を防ぐには

歯周病による口臭を改善するには、原因となる歯周病そのものを治療することが最も効果的です。

歯科医院で歯石やプラークを徹底的に除去する

歯周病の原因となる歯石やプラーク(細菌のかたまり)は、毎日の歯磨きだけでは完全に取り除けません。特に歯茎の中に隠れた部分は、専用の器具を使ったプロのクリーニングが必要です。

歯科医院で定期的にクリーニングを受けることで、細菌の温床をリセットでき、口臭の元になるガスの発生を抑えられます。見た目ではわかりにくい歯周ポケット内の汚れも、専門的にケアすることが予防の近道です。

毎日のブラッシングで歯周ポケットのケアを継続する

歯周病対策では、毎日の丁寧な歯磨きが基本です。強くゴシゴシ磨くと歯ぐきを傷つけて逆効果になることもあります。

また、磨き残しがあると細菌が再び増えてにおいの原因になるため、1日2〜3回の丁寧なブラッシングを習慣にしましょう。歯ブラシの選び方や正しい磨き方は、歯科医院でアドバイスを受けるのがおすすめです。

歯間ブラシやフロスを使って、歯と歯の間の汚れも取り除く

歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間には、汚れやプラークがたまりやすく、歯周病の進行を助けてしまいます。そこで効果的なのが、歯間ブラシやデンタルフロスです。これらを使うことで、歯の隙間に残った食べかすや細菌をしっかり除去できます。

特に歯周病が進行している方は、歯間ブラシのサイズや使い方が大切なので、自己流で使わず歯科医の指導を受けて選ぶと安心です。

歯茎の腫れや出血があれば放置せずに相談する

歯ぐきが腫れたり、歯磨きのときに出血したりするのは、歯周病の初期サインかもしれません。これらの症状は「ちょっとしたこと」と見過ごされがちですが、進行すると歯を支える骨にまで影響が及びます。

放置せず、早めに歯科医院で診察を受けることで、軽度のうちに対処でき、口臭も改善しやすくなります。定期検診を活用し、少しの変化にも気づけるようにしましょう。

気になる口臭は、歯周病のサインかもしれない

気になる口臭は、歯周病のサインかもしれない

人と話すときに気になる口臭は、その不快感の背後には歯周病が隠れていることがよくあります。放置してしまうと、歯ぐきだけでなく歯を支える骨にまでダメージが広がり、最終的には歯を失ってしまうリスクもあります。「もしかして…」と思ったら、自己判断で対処せず、歯科医院でしっかりと検査を受けることが大切です。早めのケアで、すっきりとしたお口と安心感を取り戻しましょう。

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